ねんねすやゃ

オフトゥンで暮らす人の寝言

バイト先が給料払わなかったので労基署に行ったよ

おはようございます。 最近あまりに寒いので毛布を出しました。
今年の冬は寒すぎるので生き残れるか心配です泣

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さて早くもブログネタが切れそうだなと思っていたのですが、
給料未払い問題について書こうかなと思っております

ブラックバイトが社会問題として注目されている昨今ですが、
(別にブラックではなかったんだけど)見事にトラブルに巻き込まれてしまったので記録という意味で経緯とオチを書きます。
他にも同じ感じの学生さんがいたら参考にできるかもしれないしね!!!

【目次】

おことわり

まず最初におことわりさせていただきたいのは、
お前がバカだとかそんなことするからいけないんだといったようなクレームは受け付けていません。そんなことはわかっているのです。
というかいかなるクレームも受け付けてないからな!
あと、すでに和解済みであることやお約束したこともあるので社名や個人名は出しません。悪しからず。

また、今回は法律に関わる部分でもあるので、もし間違っている部分があればそこはどんどんご指摘ください。 法律の勉強はしていないのでネットで調べた知識しかありません…

それでは、登場人物・経緯およびとった解決策・まとめの順でご紹介します。

登場人物

  • 布団
    私のことです。実家が布団屋なので布団とします。

  • A社
    私がバイトしていた、都内にあるIT企業です。
    私はここで自社開発の新規Webサービス開発事業にジョインしていました。 ちなみに開発メンバーは10名ほどで、全員学生。学生が試行錯誤しながら開発を進めています。入れ替わりが激しい。
    会社のHPのメンバー紹介のところは学生しか載ってません。 時給は1200円スタート。コミットや実績によって昇給あり。

  • A社長
    A社の社長です。フランクで現実的な考え方をします。 男性です。

  • Bさん
    A社のもう一人の社員です。男性です。社員は彼のみです。前職では大手企業の営業をやっていたとか。
    主に雑務や人事を担当しています。

  • C先輩
    私より1ヶ月ほど前に入社した先輩です。開発メンバーのリーダーをやっています。めっちゃ仕事できるし優しい。

経緯

バイト探し

11月ごろ、就活を終えて就活中に稼げなかった分を取り戻すべく、時給の高いバイトを探してました。
家は神奈川県内だけど時給が低いので都内で、かつIT・技術系で探していたところ、新規事業で開発業務、時給1200円スタートという募集があったので応募した。土日もシフト入れられるのもよかった。
すぐにスケジュールを調整してもらい面接をした。
(まあやばい会社だったら面接でやめて帰って来ればいいかななんて思ってた)
実際会ったらなんか話しやすい人だし、交通費全額支給だし、頑張った分はしっかり評価しますとのことでやりがいもありそうかなと思ってその場採用になった。
初回出勤日を決めてその日は帰ったのだが、その初回出勤日に「ん?」となる出来事がさっそく起こります。

不穏な出来事

初回出勤日、書類を書くだろうと思って印鑑を持って行ったところ、定時過ぎても特に何も言って来ないので「雇用契約書いつ書きます?印鑑持ってきてるんですけど」とBさん(社員)に言ったら、
「ああ、今日がまだ紙ができてないから次回にしようか」
と言われた。雇用契約書が"できてない"ってなんだ?と思いつつも、まあ2人しかいなくて忙しいのかなと思いその日は帰った。
その後数回出勤しても何も言って来なかったので催促したら、たまたまその時一緒にいたC先輩が
「あ、そういや俺も書いてないっすね」
とか言うので「は!?」と(心の中で)言ってしまった。普通書くじゃん!
で、それを聞いたBさんも
「あー、欲しい人には出すよ」
とか言うので、意味不明すぎて固まっていた。雇用契約書って書かないといけないものだと思っていたので、なんだ強制じゃないのか〜とか思ってなぜか納得して帰りました。バカなのかな?
(ちなみに「雇用契約書」は作成義務はありませんが「労働条件通知書」は労働基準法で作成が義務付けられているようです。)

迷走する会社

その後、雇用契約書がないまま何回かシフトを入れて出勤していたのだが、突然A社長から「次回なんだけど、出勤してる人数が多いからシフトなしにしてくれる?」という連絡が来た。
オフィス狭いからかーと思って(実際本当に狭い)、わかりましたと返してシフトを消しておいた。
それから1週間経たないうちに、今度はバイトの学生全体のグループチャットで「これからは土日の出勤は禁止します」という連絡が来る。どんどんシフト入れにくくなり、お金がないからここのバイトにしたのに意味ないなあとか思い始めていた。
さらに1週間後くらいのある金曜に、また全体のグループチャットで「次の月曜9時からオフィスでミーティングやります。来れない人はその週のシフト消してもらいます」という脅しっぽい連絡が来た。
これに関しては今までみたいに「仕方ないな」とは思えなかった。
人を集めたいなら1週間以上前にはその旨を連絡すべきだし、だいたいメンバーみんな学生なんだから平日の9時なんかに集めようとすること自体が間違ってる。
すでに予定を入れてしまっていてミーティングには参加できなかったので、その週のシフト2回分を消した。

その後もなんだかんだ3回くらい、会社による「シフト調整」が入って一方的にシフトを削らされたりして、いよいよ不信感が高まってきた。

先輩からヤバイ話を聞く

経営者なんか信用できないし続けるか迷うなあ…と思っていたところ、
C先輩と退勤時間がかぶったので一緒にご飯行きましょうとなって、中華料理屋で一緒にご飯を食べた。
その時、どんな話の流れか忘れたけど、C先輩が「おれ給料ちゃんともらってないんだよね」と言った。
交通費も含め、振り込まれてはいるけど金額が足りてないらしく、そもそも振込みも遅延しがちだったという話。
この話を聞いて、いよいよだなと思い、転職を決意してしまった…その頃にはシフト削られまくりで次の出勤日が2週間後とかになってたし。
給料のことがあり関係を悪くすることは嫌なので、やめることは伝えずに次の月のシフトは特に入れないでおいた。給料が入ってからやめますって言おうかなと思って。

結局振り込まれず

月末の給料日になったので事前に伝えておいた口座をみると、案の定給料は振り込まれていなかった。交通費含め5万円くらいなんだけど。
もう1日待つか、と思って待っていたら、BさんからLINEで連絡があった。「シフト入ってないみたいだけど、学校忙しいの?これからどうする?」みたいな内容だった。
「卒論などが忙しくなって予定がまだわからないのでシフト入れてませんでした。ご迷惑になってしまうと思うので退職を検討しています」と送り、やんわりと辞める旨を伝えてみた。

既読無視された。

なんだこいつと思いながらも、給料が振り込まれないと生活ができないので、給料が振り込まれてない件を伝えると謎回答がきた。
要約すると、

「こちらの連絡に対して連絡がとれなくなったり、1週間前のシフトの入力・変更ができていない場合は、一度話し合いをしてから給与の支払いを決定しています」

ということだった。話し合いの内容によっては払わないという選択肢があるみたいな書き方で、うーんってなった。
忙しいからシフトを入れていないのだし(今考えれば何も言わずシフト真っ白で出したこちらも悪いのだけど)、だいたい既読無視してるのはそっちなんだよなー。「こちらの連絡に対して連絡がとれなくなったり」だなんて言えないはずなんだけど。

仕方ないので「じゃあ話し合いしましょう。ご都合の悪い日ありますか」と返した。そもそもなんで給料払ってもらってないのにこっちが会社まで出向かないといけないのか。こっちだって忙しいのに。
「来週の火曜と木曜が空いてます」と来たので、就業時間内と定時後どっちがいいですか?と返したらまたも既読無視された。1週間たっても返事がなかったのでさすがにキレてた。
学生の分際でこんなこと言うの失礼だけど、読むだけ読んで返事返さないとかこの人本当に社会人か?と思ってしまった。すぐに返事ができないならその旨を伝えるべきだと思うんですけどね。
先方に話し合いをする意思がないものと判断し、さてどうしようかなと思っていたところ労基署の存在が頭に浮かびました。学生だしバイトだし雇用契約書など書面の契約でもないので無理だろうとは思っていたのですが、労基署を使う機会もなかなかないし、(言い方が悪いけど)勉強になるかなと思って労基署に頼ってみることにしました。

とりあえず電話してみた

調べていて思ったのが、とにかくお役所関係のシステムはわかりにくい。
行ってみてうちの管轄ではないんです、みたいなことになると時間の無駄なので、まずは電話してみることにしました。 労基署にはそれぞれ管轄地域があります。例えば都内だと、18の監督署が分担してるっぽい。

http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/kantoku/list.html

会社の所在地を管轄している監督署に電話すると、男性が出てくれた。学生であること、バイト先についてやこれまでのいきさつを軽く話すと、こちらがやるべきことを丁寧に教えてくれました。
まずは書面で「給料が未払いだからこの日に取りに行きます、用意しといてね」と伝えて、取りに行っても給料をもらえなかったらその足で監督署に来てくれ、とのこと。やっぱり、LINEの記録が残っているとはいえ一度書面で催促した方がいいっぽいです。それでも払わないなら労基署が会社に出向いたり、是正勧告をしたりするということらしい。
書面の作り方がわからなかったら地元の監督署で作り方を教えてもらえますからそちらに行ってみてくださいね、とも教えてくれた。正直役所だしもしかすると委託業者とかで雑な対応されるんじゃないかと思っていたので、この丁寧な対応には感動した。ありがとうございます。

地元の労基署に行ってみた

平日、アドバイス通りに地元の労基署に行ってみた。
ところが昼休みのことを忘れていて、12時ちょうどに行ったら昼休み中だった。当たり前ですね。普段自分が13時から昼休みであることが多かったから忘れてた。
田舎なので歩いてどこか食べに行ける場所もなく、13時をすぎると後の予定に間に合わなくなる可能性もあったので、空腹に耐えながら監督署の前のベンチに座って13時の再開待ちをしていたら、中から女性が出てきて、対応できる職員がいますのでどうぞ、と言ってくれた。めちゃくちゃ優しくって感動した。
話を聞いてくれたのは60代くらいの男性で、おっとりした話し方でまた丁寧だった。また感動した。私はちょっとネットに毒されているというか、人間不信すぎるのかもしれないと思いました。

電話の時と同じように事情を伝えると、初出勤はいつなのとか、何回出勤したのとか、未払いなのはいくらなのとか、それはどう計算したのとかわりと細かく聞かれた。雇用契約書がないことも言ったら、書面がなくても口頭でも契約は成立するので大丈夫、とのことでした。最終的に、書面の作り方の紙をもらって、これを自分で作って送ってねと言われた。 紙はこんな感じです。

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こんな感じで、未払額と支払い期日、その方法を書いて送ればいいわけです。
見本によると振込みでもいいっぽいので振込指定にした。取りに行く時間がないので。
送るのに82円がかかってしまったけど、往復3000円の交通費に比べれば安いもんです。

連絡が来た

書面をポストに投函して1日くらい経ったあと、Bさんから電話が来ていた。
折り返し電話をしたら、Bさんがでた。「話し合いの日決めてなかったよね、決めよっか」とか言ってきた。決めてなかったよね、ってそちらが連絡返して来なかったからなんですけどね。けっこう図太いというか、悪びれてる感じが全くないのがちょっとムカつきましたね。
「話し合いするのはいいんですけど、とりあえずさっさと給料払ってほしいんですよ。5万は大きいし、それ(給料)がないと困るんですよ」とBさんに言ったら、Bさんは「でも会って話してから払うのがぼくらのやり方だからさ」とか言っていた。「給料日は月末って約束だし、すでに働いた分は支払うべきなんじゃないですか?約束守れてないじゃないですか」とか、ほかに何を言ってもBさんは「ぼくらはそういうやり方だから…」とずっと言っていて、わけわかんなかったし、話してて会話が成立してる感じがしなかった。そもそも給料未払いって違法行為なんだけどなあ。少し前に報道があった、「俺の会社では俺が法律だ」みたいなやつか。

埒が開かないので、自分の予定が空いている2週間後に会う約束をとりつけた。本当に忙しかったし、年末年始を挟んでしまったので結構遅くなってしまった。
土日は空いていたし、この頃にはまた土日もシフト入れられるようになっていたはずなので「土日ってやってましたっけ?」と聞いたら「いや、土日はやってないんよね」と言われたから平日に時間を取らないといけないのがきつかった。

その場はとりあえず電話を切って、シフト表を見たら普通に土日にシフト入ってる人がいて笑ってしまった。一応まだ働いているC先輩に「土日ってAさんBさんいますか?」と聞いたら、「いつも土日は2人ともいるよ」と言っていた。会社の鍵を開けるのが社員なんだから当たり前なんだけど、Bさんはどこまで適当なんだろうと思って、呆れたし、ホント笑うしかなかった。 もう向こうの都合なんて聞き入れる気は全くなかったので、次の日Bさんに「今週の土曜日の午前中に伺いますね」とだけ連絡しておいた。「わかりました」と返って来た。やっぱり土曜日いるんじゃねえか(怒)

ちなみに電話を切る時、「秘密保持の契約書にサインしてもらうから印鑑持って来てね」と言われた。そういうところはちゃんとするのかよ!と突っ込もうと思ったけど、なんかもう言う気力もなかった。

話し合いしに会社に行った

土曜日、PCと印鑑を持って会社に向かった。行ったら4人くらいが普通に仕事してた。
こっちもBさんも、お互い別に攻撃的ではなく、むしろこっちは超笑顔で優しい対応をした。久しぶりだね〜最近どう?と話を振ってきたので、卒論忙しいんです〜とか明るく話してた。
話し合いというのは本当に名目だけのようで、さっさと秘密保持契約の書類を出してきたのでさっと目を通しつつ、サインと捺印を済ませた。あとはPCの中のデータを消してくれとのことだったので、ローカルリポジトリをゴミ箱から完全に消し去り、GitHubのorganizationも抜けた。Bさんは技術的なことはわからないらしく、GitHubを抜けて「これでプロジェクトをダウンロードてきなくなりました」と言ったら「そうなんや」とか言ってた。なんというか、こう、全体的に詰めが甘いんだよなこの会社。大丈夫なんでしょうか。

そして大事なお給料をいただきました。しっかり請求通り。(請求額はシフト表をもとに決めました。)労基署にはこれ以上お世話にならずにすんだ。
あと、なんとこの日の交通費分も入れてお金を渡してくれた。突然の優しさに困惑してた。

以上が経緯とオチでした。

まとめ

結果的には、会社がきちんと給料を払ってくれました。よかったよかった。
私にも悪いところがちょいちょいあったなと思います。もちろん、どれだけ被雇用者に非があっても、働いた分の給料を会社が支払わないのは悪いことですが。

書きながら振り返ってみると、会社側は給料を人質にプロジェクトのデータとかを持ち逃げさせないようにしていたのかなと思ってきました。あれだけ対面での話し合いにこだわっていたし、わざわざ書類まで書かせてきたし。
どちらにしても、やり方は悪かったですね。なんども言いますけど、賃金の未払いは違法行為なので、それなりに悪質だと労基署から業務に支障がでるくらいのお仕置きを受けるの、わかっててやってるんでしょうか。わかってなさそうですね。(反語)

もし給料が払われなかったら?

これを読んでいるあなた。これからの人生、給料が払われない時もあるかもしれません。(?)
そんな時やるべきことをまとめました。

  1. 働いた記録(タイムカード、日記など)を集め、証拠として使えるようにする
  2. どんな手段でもいいので連絡を取り、給料の支払いを催促する
  3. 連絡が取れなくなった場合、書面で給料の支払いを催促する
  4. それでもダメなら管轄の労基署へ相談する

あとは労基署がいろいろやってくれます。 ケースバイケースなところはあるので、まず最初に電話なり出向くなりして相談するのがいいかもしれません。優しく対応してくれるはず。

注意すべきこととしては、

  • 会話などはなるべく録音しておく
  • 「ちょっとやばいかも」と思った時からでもいいので働いた記録をしっかり残す
  • 労基署の役割は「是正勧告をすることで企業に不正や違法行為をやめさせること」であり、支払われなかった給料を取り立てるわけではないので、労基署に相談したからといって100%取り戻せる保証はない(裁判所に訴えることになる)

という感じでしょうか。
最後の注意点については、労基署には一応逮捕権限みたいなものがあるので企業にお仕置きはできるものの、給料を取り戻すことはやってくれないので、何をされても会社が給料を支払わなかった場合は裁判をすることになります。バイトくらいの給料だとここまでやるのは結構厳しいかもしれない…

「今更そんなことを言っても遅いよ!もう諦めて仕事(バイト)やめてきちゃったよ!」というあなた。 なんと、支払いを催促した日から遡って2年分の給料なら支払いを請求できるそうです。今すぐ書類作って送ってください!!!!!

おわりに

今回はたいした騒ぎにはなりませんでしたが、世の中にはまだ給料をもらえずに困っている人、泣き寝入りしてしまっている人、たくさんいると思います。 労基署を使ってみて思ったのは、行政はそれなりに優しいし頼りになるということです。確かにわかりにくいと文句は言ったけど、結構よくできてる仕組みだと思います。諦めずに声をあげるというのは大事なのではないでしょうか。

と、なんだか真面目な感じになってしまいましたが今回はこれで終わりです。前回同様長くなってしまった感じがするけど読んでくれてありがとうございました〜!

それでは次回更新までぽやしみ〜〜〜〜!